( 2018-10-22 )

Fuwa works



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※敬称略

Fuwa worksによる公開レコーディングライブを行った今週の東京湾ホエールズ。
佐藤帆、立花秀輝、山口コーイチ、不破大輔、岡村太。この名前の羅列を見ればもう何もいうことはないと思えるステージ。
現在はベルリンで活動している佐藤帆はもともと渋さ知らズのコアメンバー。彼の貴重な帰国にタイミングを合わせ、このメンバーで行われたライブは希少価値が高く、多くのファンたちが集った。

今日のライブはベーシックの中に入り乱れるそれぞれの圧倒的な技術が特に目立つ。まとまりを持った音の中にいて、特別に輝く瞬間がなんども訪れ、その度に会場のボルテージを上昇させていく。
ドラムは岡本太、彼もまた冷静さと激情の二面性を持っている。しっとりと、密やかに鳴らされる音、タワービスの最上階のラウンジにて演奏されているかのように上品なリズムから、ソロとなれば一気に走り出し、時にはスティックを使わず素手で叩き、ハイハットを外し片手に持って叩く。リズムの中に遊びがあり、情熱があり、何よりも本人が今日のステージを楽しんでいる笑顔がある。
緩急に富んだドラムは一般来場者の身体をも揺らし、大きな拍手に包まれていた。

山口コーイチは至って冷静に伴奏をつとめているかと思いきや、カメラでは追いきれないスピードで指が動き始め、肘から先全体を使ってソロを行う。
手のひらで、拳で、腕で。普通であればアバウトになってしまうであろう演奏技法でも、その正確さは揺るがず、キレと躍動感を表現する。
立ち上がり、鍵盤をグッと押し込むその音は非常に太く、芯まで響く音色となって会場全体に広がっていた。

不破大輔のベースは今夜はとにかく土台となって道筋を立てているように感じた。
他のメンバーのソロパートは技術と奇術であふれていたが、それらを一つの作品としてまとめ上げる上で彼のベースは常に一定のグルーブを弾く。
この力があまりに強いバンドにおいて舵をとることは非常に難しく、誰もができることではない。渋さ知らズという大所帯をまとめ上げる彼の力と魅力が、5人という小編成のバンドであってもメンバー全員の色濃い演奏でここまで感じれる。

アルトサックスの立花秀輝、テナーサックスの佐藤帆。メインメロディを奏でる彼ら二人は共演が久しぶりだということを全く感じさせないコンビネーション。
それぞれが息を合わせた演奏ももちろんだが、その魅力はそれぞれのソロ。立花秀輝はただサックスを吹くだけではなく、息遣いやサックスを叩く音までを駆使した演奏。その独特かつアグレッシブな即興は、以前聴いた立花秀輝の印象をそのまま思い出せるほど、自分というスタイルを確立している。
そして今夜、約5年ぶりに同じステージに立った佐藤帆。5年間と言う期間が同じステージに立つアーティストとしてどれほどの影響を及ぼすかはわかならいが、彼を中心として見たときに立花秀輝だけではなく、3人との連携にも少なくともそのブランクを感じることはなかった。その中で彼の音にインパクトを感じるのは決して彼がテナーサックスだからと言うだけではなく、芯の強い大木のような存在感を発揮していた。ソロパートでは低く、歯切れのいい音たち。一つ一つの音には明瞭さと、なぜか感じるピースフルな感覚であふれている。目を閉じて音だけを聞けばさも激しい演奏なのだが、ふと目を開き彼を見ると音が丸みを帯びて優しさを感じる。
普段はベルリンにいて、たまにしか日本には来れない。その希少性をメンバー全員が噛み締めながら、演奏を笑顔で見つめる岡本太、クールに伴奏を務める山口コーイチ、そして楽しそうに笑う不破大輔。まるで再開した友人と語り合うかのような、そんな時間だったのかもしれない。
最後は踊りだす観客も多く、大音量の拍手と歓声でステージは終了。ベテラン5人の白熱のステージは観客全員がその安定感とその高い領域の余韻に浸っていた。


10月17日 出演者: 佐藤帆ts 立花秀輝as 山口コーイチpf 不破大輔cb 岡村太ds
制作 : 玉井夕海 不破大輔

~東京湾ホエールズは、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指し発足したスペシャルチームです。~
WISE OWL HOSTELS TOKYO は、2016年7月。東京・八丁堀駅から徒歩5分の交差点にオープンした新しいホステルです。 宿泊する方の8割は世界各地からの来訪者。『東京湾ホエールズ』の舞台は、その地下にあるSOUND & BAR HOWLです。深く暗い森をイメ ージし設計された音空間には、様々な国籍の旅人と混じり、地元八丁堀で働く人々やこの場所を目指して集う日本各地の人々が集っています。
近年、急激なインターネットの普及や社会情勢の変化と伴い、音楽や演劇を始めとするパフォーマンス業界や各種アートシーンに転換期が訪れています。オリンピックを控えた魔都・東京。その中心地に位置するWISE OWL HOSTELS TOKYOとの全面タッグにより発足した『東京湾ホエールズ』は、 新たな旅とエンターテメントビジネスの可能性を探り、遠い記憶を呼び覚ます時空の提案を目指します。


- 次回開催情報

『雁渡〜さいとういずみSOLO〜』
2018.10.23 19:00 開場

※リハーサルなどの状況により多少前後する事がございます。ご了承ください。

Entrance : ¥1000(include 1drink)

出演者:さいとういずみ

プロフィール : 福山市在住のシンガーソングライター。
5歳より10年間クラシックピアノを習い、賛美歌、ゴスペル、JAZZなどを聴いて育つ。12歳頃から作曲、19歳からオリジナル曲の弾き語り活動を始める。
女の心にある微かなささくれを言葉に乗せてリアルな色を歌に滲ませる。ピアノはわたしのからだの半分です。
2012年、1stアルバム『こうもりうた』を、2015年3月2ndミニアルバム『小惑星』を発売。
2018年4月16日発売のコンピレーションアルバム『calm waves』に参加。
福山を拠点に関東、関西、その他各地のライブ会場にも足を運ぶ。

今回は10月22日(月)渋さ知らズLIVE@TAMAYA TAMASHIMAに参加の足で、東京湾ホエールズへの出演となります。
https://izumi-saito.jimdo.com/